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スクランブラーSixty2 (ducati)

イントロ

今年登場したスクランブラーの400cc版。エンジン以外の800cc版との違いは;

①フォークが倒立から正立になった

②スイングアームがアルミ製から鉄製になった

③リアタイヤが180/55から160/60になった

④シート高が790mmから770mmになった

⑤車両重量が192kgから183kgになった

⑥エギゾーストの取り回しが変わった

⑦タンクのサイドカバーが無くなり、単なる塗装になった

くらいだともう。

ポジション/足つき/取り回し

ポジションは800と同じく、超幅広/超アップハンドルのせいで腕を広げて高々と挙げるので肩がこってしまう。

足つき性は800版と乗り比べて20mmダウンの差は感じられなかったが、他の400と比べたら良い方だと思う。また最新ロードスポーツのようにシート前端からタンクが急に盛り上がるような形状になっていないので、前後方向に窮屈感がないのは美点。

パワートレイン

排気量なりにトルクは半減しているが、回転上昇がスムーズなので非力感はあまりない。他の400と比較するなら、パラレルツインのCBR400Rより一回りパワフルといったところか。レスポンスも800版の過激さが半減した感じで随分扱いやすくなったが、400としては割合シャープな方だと思う。

ギア比は高めなので、スムーズなエンジンと相まってかなり穏やかに高速巡航出来そう。ただミッションタッチはグニャッとしたタイプで、特にニュートラルに入りづらい事があった。

あと、走ってる時は問題ないが、停止するとエンジンからの放熱がかなりある。800から400になったからと言って、暑さがマシになったということは無さそう。ただ、リアバンクのエキゾーストパイプが車体中央を通っているので、800のように右足に触れて火傷しそうになることはないだろう。

ハンドリング/乗り心地

800版の乗り心地はかなり良かったが、この400版は何故かあまり良くなかった。リアサスもシートも固くギャップでゴツゴツ突き上げてくる。実は停止状態でまたがるとシートは寧ろ柔らかめなのだが、腰が無いというかギャップでストロークを使いきってしまい、硬い部分がお尻を突き上げるのかも。試乗車のプリロードは最弱になっていたので、その影響もあるかもしれない。

ハンドリングは結構ネットリした800版に対し、400版はリアタイヤが細くなったせいか、幾分軽快になっているように思う。ただかなり長い割に径が細いハンドルバーの剛性が低いのか?何だかグニャクニャした手応えは両者共通。

総合評価

中型免許で乗れるDucatiというのが売りなんだろうけど、大型免許を持っていても800版の過激なトルクがしんどいと思っていた人には扱いやすくて安楽なスクランブラーと言えるだろう。ただ、800の美点であった乗り心地が、400では何故か毀損されていたのは残念。

定価もギリギリ80万円台に抑えているが、値引きはほぼゼロのようだし、外車なので諸費用が嵩み支払総額は100万円を超える模様。もっと安い費用で国内仕様の大型バイクが色々買えることを考えると、ドガティらしいコストパの悪さと言わざるを得ない。

同じアジア製の海外ブランド車でも、KTMは勿論ハーレーですら遥かにコストパが高いので、ドガティにももっと頑張って欲しい。

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