イントロ
最初は2016年の大阪モーターサイクルショーで試乗しただけだったが、今回は公道で試乗出来たのでレビューを加筆修正した。
ポジション/足つき/取り回し
Ninja250SLは相当レーシーなポジションたが、それに合わせるかのようにZ250SLはネイキッドの中では一番前傾がきつい。例えばやMT-025/03と比べてきついし、クラスが上の新型SV650と比べてもきつい(-_-;) 公道で20分位乗ると首の後ろがダルくなった。
そして足つき性がまた悪い(-_-;) なんと新型SV650より悪い(MT-25より当然悪い)。つまり、かなり前のめり(尻上がり)なジオメトリだという事。上述の軽快なハンドリングはこの姿勢によるところが大きいかも。
尚、公道での試乗車にはローダウンキット(リアサスのリンクを変えるらしい)が装着されシート高が20mm下がっているという。実際にこれなら足つき性に問題はないが、リアの車高を下げた場合の常としてハンドリングはやや重たくなっているように感じた。それにこのバイクは小柄な女性のユーザーも多いらしいが、であれば尚更硬いシートと乗り心地は堪えると思うのだが
パワートレイン
低速域ではカタカタ・ドコドコとした回り方だが、2気筒のNinja250やZ250のようなモッサリ感はなく、過不足無くトルクが出ている感じ。そこから回転を上げるとほぼリニアにトルクが上昇し、6000rpm付近からかなり元気になりきつい坂でもグングン加速する。結構高回転型の伸びやかなエンジンだと思う。
ただ質感という意味ではややチープというか荒いというか、回転を上げてもカタカタ感が無くならない。例えば、Duke250であれば低速ではもう少し音が丸いので気にならないし、回転を上げるともっとスムーズに吹け上がる。まあミッションタッチはDukeほどグニャグニャしておらずまあ普通。
ハンドリング/乗り心地
ハンドリングは普段PCXに乗っている僕が重々しさを殆ど感じないという事は相当軽快だと思う。岩のように重々しいNinja250は言うに及ばず、ネットリ感のあるDuke250と比べても率直で軽快。ハンドリングの軽さを250のネイキッド同士で比べると、軽い方から;Z250SL≒Duke200<Duke250<MT-25(未試乗だが多分)<Z250といったところ。
サスペンションはフロントは普通だかリアはかなり硬めでシートも硬く、ギャップを越えるとかなりゴツゴツ来る。僕の恵まれた体重をもってしてもそう感じるのだから、60kgくらいの人だとポンポン跳ねてしまわないだろうか?もっともZ250のように、1G’までは柔らかいがその奥で突き上げ感のあるようなことはSLにはないが。
総合評価
正にNinja250SLのネイキッド版という感じで、それ以上でも以下でもないバイク。元気なエンジンと軽快な車体、キツいポジションと硬い乗り心地。見た目も乗り味も、日本のメタボ系オヤジより、成長著しいアセアンの若者に相応しいバイクだろう。
というわけで無い物ねだりかも知れないが、個人的にはもうちょっとジェントルなキャラクタじゃないと日々乗るには正直しんどい。ただエンジンの素性としては、外車のDuke250を除けば今の250cc中最良だと思う。だからこのエンジンを使って、スクランブラー的なバイク又は、嘗てのスーパーシェルパのような小さめのオフ車を作ってくれたら嬉しいし、結構売れると思うんだけどなあ。