ポジション/足つき/取り回し
今年も最初にNに乗ったが、ハンドルは遠くステップが高くて膝が曲る何とも窮屈なポジションに感じた。停止時も足を何処に出して良いか判らず、足つき性も昨年感じた程良くは無い。
試乗後、次はR1に乗り、最後にDiversionに乗った。するとポジションが全然楽ではないか!ステップ位置も低いしハンドルも近い気がする。これはNがスポーティーでDiversionはツアラーというキャラクタを明確にする為、ポジションも変えてあるんだと思った。
そこで試乗後、再びNに跨って比較してみる・・・変わらない!!(^^;殆ど、というか多分全く一緒。ハンドルだけは取り付け角度の関係でNの方が若干低かったかもしれないが。
つまり、最初に乗ったNのインプレは普段のDRZの影響を強く受けており、直前に乗ったレーシーなR1によってネイキッドの感覚位に戻ったのだと思う。
昨年はとてもスリムに感じたシートとタンクに今年は何も感じなかったのも、DRZの影響だと思う。
パワートレイン
09モデルと基本的に変わってないし、比較の意味でも今年はNとDiversion(フルカウルのFではなくハーフカウルの方)を一緒に書くことにした。
エンジンは相変わらずジェントルかつスムーズ。トルクも充分でGSR(400はより快活な回り方)に次ぐ最近のベスト直4だと思う。
今年はNとDiversionの差は感じられず、どちらかと言うとNがDiversionに近づいた感じだ。パフォーマンスに不足は無いが興奮するようなエンジンではない。昨年玉砕してしまったNのエンジンはやはりスペシャル仕様だったのか(^^;
ハンドリング/乗り心地
昨年は若干軽快感のあるNの方が気に入ったが、今年はDiversionの安定感の方が好ましく感じた。
と言うのも、普段のDRZを基準にしてしまうと、どちらにせよ重い操縦性には変わりなく、それならツアラー志向でハーフカウルのDiversionを選びたくなったからだ。その方がジェントルなエンジンにも合っていると思う。
とは言え、元々NとDiversionのハンドリングの違いは大きくないので、スタイルの好みと高速道路使用頻度によって選択すればよいと思う。
総合評価
刺激を求める人には物足りないかも知れないが、600クラスの中では一番間違えの無いバイクだと思う。ER-6はもう少し手強いしグラティウス650はショップ単位で扱っているだけ。
もし峠で楽しめる軽快感を重視するならXJ6Nではなく、グラティウス650(現実的には400か?)を選んだ方が良いと思う。一方、高速を含めたツーリングを主体に考えるならDiversionがベストチョイスだろう。
限られたコストの中で実用性と楽しさを最大限実現している点も高く評価したい。ただそれ故に、逆車の諸費用が10万円以上割高なのがやはり痛い。