ポジション/足つき/取り回し
足つき性は125スクーターより良いくらいだが、セロー系の宿命としてステップに足を乗せて座ると膝の曲がりがきつい。
取り回しもまたPCXより良好なくらいで、街の駐輪場にも気兼ねなく置けるだろう。
パワートレイン
DRZと比べると、とても柔らかな回り方。音も振動も小さく、非常にスムーズに感じる。大阪MCショーの超低速コース(最高速は多分40km/hくらい)であれば、パワー的にも問題なく、レスポンスもマイルドなのでとても扱いやすい。
もっとも、90km/hもだせばかなりシンドい回り方になると予想する(XT250Xの経験から)。
ハンドリング/乗り心地
2003年位の発売当初に乗った時は、フロントタイヤがグニョっと粘るようなハンドリングに違和感を覚えたが、今回の試乗では全く自然なハンドリングだった。
むしろ一般的なオフ車よりフロントホイールが小さい分、ナチュラルなハンドリングに思える。タイヤも普通のオフ車よりロード寄りなパタンなので、寝かし込んだ時の不連続感も無い。しなやかな車体と柔らかなサスもあって、Uターンに近いコーナリングではこれ以上ないほど乗りやすい。
総合評価
例によってあまり参考にならない大阪MCショーでのインプレではあるが、低速での乗りやすさは確かだと思う。北摂の狭いワインディングならベタベタ寝かせて非常に面白いだろう。ただし急坂は厳しいが。
このオンオフどっちつかずの性格が実は合理的だと判る。完全にオンタイヤでモタード風にするほどパワーはないし、21インチのブロックタイヤを装着したところで、このサスでは走破性大したこと無い。
因みに、定番のセローは高速移動が同様に辛いくせに、オフロードでも言われるほど軽くないし、サスストローク的にギャップ走破性も良くない。CRF250Lが46万円で出た今、それより高いセローの存在価値は見当たらない。足つきが重視ならトリッカーの方が良いし、何よりセローより10万円も安い32万円ほどで売られているのが素晴らしい(PALSの新車価格)。ただし7万円も出してこのレトロ外装キットを買う気にはなれないが。
トリッカーは、MTBのように広場でトリックの練習するも良し、ワインディングはヒラヒラ流すもよし、普段の足として街乗りに使うもよし。長距離OR高速移動さえ諦めれば、こんなにお得なバイクも無いだろう。