ポジション/足つき/取り回し
跨って先ず最初に感じるのはシート高の高さ。シートもその下のボディーもスクータらしく幅広な上、足を出す部分も絞ってない。結果的にPCXは勿論、国産250ccスクータと比べても足つき性が悪いと思う。
また、シート幅の割りにはステップボードが狭く、特にガニ股の僕にはアンバランスな下半身のポジションになる。試乗時に跨るやいなや指導教官っぽい係員が、足先をステップボードより外に出さないよう指示してきた。ということは、足先を出しちゃう人が多いということかも。
パワートレイン
少なくとも40km/h以下の低速でアクセルをワイドオープンしない範囲においては、スタートダッシュはやや緩慢で、PCX125と比べても別段パワフルとは感じなかった。また、その領域でのエンジンのキャラクタとしては、快活に吹け上がるというより低めのサウンドで重厚なテイスト。
ただ、世評ではPCX150よりパワフルとのことなので、もっと高い速度域でかつガバ開けして回転数も上がった状態だと速いのかも知れない。バークマンと同じく回して(開けて)力を発揮するタイプなのだろう。
ハンドリング/乗り心地
乗り心地は基本的にはフラットな駐車場コースなので良くわからないが、柔らかいサスではないと思う。リアサスはモノショックなので、フレーム直付ツインショックのような底付き感はないが、さりとてストローク感がさほどあるわけではない。
13インチホイールなのでもっとゆったりしたハンドリングを想像していたが、セルフステアが意外と強く、Uターンなど極低速ではちょっと扱いづらい。
硬めのサス、前下りの姿勢、高めの重心位置を合わせると大体こんな突っ張った感じになる。僕はスクーターにはふんわりサス&ゆったりハンドリングを期待するので、こういう乗り味は好みではないが、エンジン特性と合わせてアグレッシブなタイプなんだろう。
総合評価
PCXよりパワフルで価格も30万円台前半という事で期待してたが、個人的にはやや期待はずれだった。僕がスクーターに求める安楽な乗り心地と、軽快だが低重心なハンドリングとは対極にあるようなバイク。
多分、足の長い外人が2人乗りでガンガン攻める事を念頭に置いた設定じゃなかろうか。これより遥かに長く、低く、ゆったり走れた「小マジェ」が懐かしい。