居住性/ラゲッジ
シートは13Gと同様にシッカリとして形状も良い。また旧型HVのようにラゲッジが上げ底になってる感じはまるでなく、普通のガソリン車の基準で見てもロー&フラットなラゲッジだと思う。
しかしシフトレバーはいくら何でもプリウスに似すぎ。これってレバーの位置ではポジションが判らないので別に良いインターフェイスとは思えない。ホンダなんだから違った形態で自己主張すべき。
パワートレイン
従来のIMAと違って出だしはモーターのみだが、これが思いの外トロい。そこでアクセルを更に開けると、おもむろにエンジンがかかって期待したトルクが出てくるという感じ。その後、走っているうちに走行パタンを学習するのか、最初からエンジン+モーターでスタートするようになった。その際、スタートと同時かワンテンポ遅れくらいで、殆どショックもノイズも無くエンジンが始動する。これは、HVでない普通のエンジンがアイドリングストップからカリカリとセルモーターが回ってからスタートするのに比べると随分快適。
緩い下りなど負荷が最小の時は40km/h以上でもモーターのみで走るが、少しでも開けるとエンジンがかかった。もっと走ってバッテリに沢山充電したら変わるのかも知れないが、少なくとも数十分の試乗ではEV走行出来る領域は狭かった(プリウスは勿論ヘタするとアクアより狭いかも)。これは出だしのトロさから察するにモーターのパワーそのものが小さいからではないか?つまり従来のIMA同様、電気ターボ的なHVと考えたほうが良さそう。
でその電動アシストエンジンのトルクは、十分だが感動するほどではない。旧フィットHVで感じた「流石HV!」とうならせるトルクは感じなかった。もっともこれは出だしの印象が影響していると思われ、旧型のHVより非力という訳ではないと思う。ただ、ハッキリとパワフルになったとは言えないし、アクアやプリウスと比較しても、エンジン音が静かな領域で走る限り若干非力かもというレベル。
あと、タイヤのパタンノイズがかなり大きく、そのせいもあって低速でエンジンは停止してるハズなのに、エンジン音のような音が聞こえることがあった。もっとも、同乗した営業マンによれば、インジケータがエンジン停止を表示しても実はアイドリングしている事があるらしく、ホントにエンジンが停止しているか否かは、室内からでは非常に分かり難いとのこと^^;
ただその割にというか、エンジンの音質は結構耳につく。というのは、アイドリングストップが無いうちのティーダが停止すると、フィットHVが停止した時と同じくらい静かに感じたから。話題のDCTは良くも悪くも存在感が無く、言われなければ気づかないだろう。もしDCTだと言われたら「そう言えばダイレクト感があるかな?」と言った程度^^;
尚、これらのインプレは全てノーマルモードでのもの。一瞬スポーツモードに入れて発進を試みたが、エンジンノイズ(つまりエンジン負荷)が増えただけに感じたので、すぐにモーマルモードに戻した。
ハンドリング/乗り心地
乗り心地は13Gとハッキリ違って硬めだった。13Gでは十分に思えたボディー/シャシの剛性感も、HVの重量と足回りに対しては余裕が無い感じ。また、履いているタイヤもゴツゴツ感に影響してるようで、路面のうねりで若干ハンドルが取られやすい事からも、かなり極太タイヤを履いているように感じる。実際はノーマルの15インチなのだが、今のエコタイヤってみんなこんな感じなのか?(タイヤ銘柄はチェックし忘れた^^;)
足回りが硬いため、コーナーでのロール剛性は13Gより高いが、代わりに向きの変わり方とステアリングの手応えがリンクしないという、ホンダちっくなハンドリングになっていた。
ただブレーキは、回生の効果か13Gより強力で、剛性感が高いタッチだった。結構浅いストロークで効くのだが、トヨタ的なカックンブレーキ的挙動を見せることも無かった。
総合評価
メディアの前評判や凝ったメカニズムから期待が大きすぎたせいもあるが、思ったほど凄くはないというのが正直な所。もっとも、パワートレーンの制御プログラムは幾らでも変えられるので、今後ドンドン改良される可能性はある。プリウスのような半分EV的なHVを期待するのは無理だろうが、あと数年も経てば電動アシストエンジンとして熟成されると思う。
ただ、ボディー/サスペンションのポテンシャルとしては、1.3Lなら十分だが1.5RSだと微妙、タイプRなんて大丈夫かいな?と言った感触だった(まあ想像だけど)。見方を変えれば、HVに乗ったことで1.3Lの良さが引き立つ結果になった。
とは言え価格競争力は抜群で、HVのFパッケージ(オプション皆無)で見積りを取ったら、総額180.3万円という結果になった(車両本体3万円値引き^^;)。これはプリウスやアクアが幾ら値引きしても、居住空間などを含めたトータルのコストパではなかなか敵わないのではないか?