イントロ
2016年の発売直後に街中で試乗した時はあまり良い印象は無かったが、2018年のスズキファンライドフェスタ(舞洲)で乗ってみると色々と良くなっていた。
ポジション/足つき/取り回し
ジオメトリは流石に変わってないと思うが、ポジションの印象は大分変わってアップライトで自然な感じ。というのも最初に試乗した個体が、ハンドルバーの取り付け角度が前に回転してたんだと思う。本来の角度に調節した場合はZ650よりは若干前傾(ハンドル位置がやや遠い)だが、MT-07(新旧)よりは僅かながらアップライト(ハンドル位置が高い)だと思う。
足つき性はZ650より若干劣るだろうが、MT-07(旧)よりは僅かながら良いと思う。シート幅が広がった新型MT-07(2018~)と比べたら、明らかに良好な足つき性。
パワートレイン
やや過剰にドカドカした回り方は相変わらずだが、回転上昇は軽やかになり全体のパワーもアップしてるように感じた(クローズドコースは公道より大抵好印象になるが)。その代りというかアクセルレスポンスは結構激しくて、1-2速で回る低速コーナーではギクシャクしがち。
因みに、同じ日に同じ場所で乗ったV-Strom650の方が明らかにスムーズに回りマイルドなレスポンス。車重の違い以上に、エンジン自体のチューニングも違うと思われるが、SVももっとマイルドな味付けで良かったのに。
ハンドリング/乗り心地
ハンドリングも以前は寝かし込みが重々しかったが、今回はスラロームも大きめのUターンも普通に出来た。珍しくVツイン特有の頑固さを感じなかったし、同条件で乗ったV-Strom250より若干だが軽快なハンドリングに思えた。
乗り心地もフンワリ快適なV-Strom250/650と比べたらややゴツゴツ感はあるが、ライバルのMT-07やZ650と比較して特に劣っても居ないと思う。ただシートの表皮が荷重移動でズレる感じはやはり残っていた。
総合評価
最初に試乗した最初期型からこれほど印象が好転したのは、試乗コースや試乗車のコンディションの違いだけでなく、実は中身も変わってる可能性を疑わせる。初期ロットは製造品質が安定してなかったとか、設計上も公式には発表されないランニングチェンジがあったとか。
2017年モデルの新車が安く売られてたりするので、どういう変更が何時行われたのか気になる(まあ判らないだろうけど)。例えばランニングチェンジなら2017モデル中から行われていただろうが、2018年からタイヤがロードスマート3に変更されたらしいので(じゃあ今までのは何?)それがハンドリングに影響を与えてるかもしれないし。
兎に角このSV650は、ライバルに比べて実売価格が圧倒的に安い。右(スマフォだと下)のメニューにある「2018年モデル価格情報」の記事を見てもらえれば判るが、 新型MT-07より10万円、Z650より15万円も安いのだ。だから内容さえ悪くなければ、スズキは相変わらずコストパフォーマンス最強の座をキープしているのだ。