ポジション/足つき/取り回し
ポジションは旧型よりやや前傾姿勢になってるかも(自分のDRZが殿様なのでそう感じるだけかも知れないが)。足つきは良いが、車体は重量感があるので取り回しはそんなに良くない。
気になったのはバックミラーがちょっと見難い事。形状がカクカク菱型で視野が狭いのもあるが、自分の腕ばかり映るのでミラーの角度をもっと広げたかったのだが、それ以上広がらなかった(それ以上はステーがぱたっと前に折れてしまう)。
また、渋滞路が多かったとは言え、20分ほどの試乗で左手がダルくなったので、クラッチは重めかもしれない。
パワートレイン
旧モデルは出だしが明らかにかったるかったが、新型はそういう感じはなく普通に加速できる。ただ、高回転型のエンジン特性は良い意味で変わってなかった。
出だしからギューンというギアノイズみたいな音が結構大きいが、回転を上げるとそれにクォーというツインサウンドが加わる。ナラシ中なので6000rpmまでしか回せなかったが、それでもかなリの急坂をグングン登っていった。旧型同様回り方が軽やかなので、それ以上回しても苦にならないというかすぐに回ってしまいそうな勢い。
ただ、そこから不意に速度が落ちると再加速不能になり、ギアを2-3段落とさないといけなくなった。やはり低速トルクに余裕はないらしい。因みに試乗後自分のDRZに乗ったら思いの外加速で飛び出したので、やはりNinjaのトルクは250なり。
但し、CBR250だって低速トルクが対してあるわけではないので大差なし、高回転のパワーや気持ちよさはNinjaの圧勝。
ハンドリング/乗り心地
跨ると車体ガッチリ&ズッシリ、サスは硬めな感触だが、走ってもやはりそうだった。とても柔らかでしなやかだった旧型の乗り心地に対して、新型はマンホールの段差でややゴツゴツするほど硬めになっている。Ninja400よりは快適かも知れないが。
ハンドリングは足元をすくわれるようにスパっとリーンする旧型に比べたら、やや安定志向になっている。と言っても、重量級小排気量車らしく基本的にはコロッと傾く特性なので、僕にとっては調度良い感じだった。セルフステアも強すぎず弱すぎず、低速コーナーでも扱いやすい。
総合評価
ガッチリとした車体にヒュンヒュン回るエンジンは、正しくNinjaの血統という感じ。実際の速度はあまり出てないが、体感的にはスーパースポーツを操ってる感覚を味わえる(実際のSSは普通の道でこんなに曲がりやすくないけどね)。
エンジンパワーは現行250クラスの中では最強。GSRは意外と回るしパワーもあるけど、Ninjaほど伸び切らないだろう。CBRはもう相手に成らない。値段については、ここ数年で一気に下げてきたライバルに対してダントツ高値になってしまったが、内容を考えると妥当な範囲だろう。
ただ、旧型Ninjaはフルカウルバイクにしては女性ユーザーが多かったらしいが、これは見た目も走りも若干癒し系キャラだったからだと思う。対して新型はスタイルも走りも男の子向けになったから、女性ユーザーが減ってしまうかもしれない…と言った心配は、世界市場的にはどうでも良い事かもしれないが。
あといつも言ってるように、250らしい軽やかさがないという点ではライバルと同様に疑問が残る。限られた排気量の中で大きく豪勢になっていくという意味では、軽自動車に似ているような。