ポジション/足つき/取り回し
残念ながら試乗車がMサイズしかなかったので、無理やり乗ったがやっぱり全然合わなかった。サドルを一番下げても足の長さが足りず、ペダルを踏み込むと股間を圧迫してしまう。
勿論、Defyシリーズはカーボンもアルミも同じジオメトリなので、適正サイズを選べばよいだけの話だが、Mサイズは平均的な日本人からするとかなり大きめという事が解った。
パワートレイン
毎度へなちょこなエンジンは放っといて、ちゃんとカーボンらしく漕ぎの軽さを実感できる。持つと更にDefy2との差は明らか。
後述のように、かなりしなやかな(≒剛性が低い)フレームなので、上級者に言わせると漕ぎ出しの瞬発力がイマイチみたいな評価になるかもしれないが、僕のようなヘタレがそれを感じる事はまず無いだろう。
それよりも、初中級ライダーにとっては、乗り心地の硬さ(路面からの衝撃)が疲れに及ぼす影響の方が大きいと思う。ショックに耐えるため、無意識に体が緊張してるんだと思う。その意味でこのバイクは、舗装路を走って最も疲れない自転車ではあるまいか。
ハンドリング/乗り心地
Defy2も意外なほど快適な乗り心地だったが、Compositeはそれに輪をかけて素晴らしい。リジットバイクとしては恐らく僕が乗った中で最高の快適性だろう。まるでフルサスバイクのような乗り心地(勿論細かな段差ではだが)。やはり自転車はフレームで乗り心地が決まるんだなと実感する。
例えば、ソフトテールの8.5FXは確かにお尻には優しいが、体全体に硬さが伝わってくる。僕のフルサスMTBですら、ふとした時にもっと硬さを感じることがある(それがMTBたる所以なんだろうけど)。
それに対してこのバイクは、車体全体でふわりと衝撃をいなしている感じ。それも、スチールの腰のあるしなり方ではなく、カラッと軽くなんか掴みどころのない(カーボンらしい?)感触。これがモーターサイクルなら、もっとインフォメーションをとか、フレームとサスの役割分担をもっとはっきりしろととか言いたくなりそうだが、僕には硬さばかり目立つスポーツ自転車では、このくらいの緩さが調度良い。
ハンドリングは当然、同じジオメトリのDefy2と同様に扱いやすい。ただ、フレームがしなやかなせいか、ハンドリングも若干マッタリしてるように感じる。駐車場内をグルグル回っただけなので直進性とかは判らないが、こうしたUターン的なことが苦にならないバイクは基本的に安定志向だと思う。
総合評価
カーボン(CFRP)は剛性やその方向を自由に変えられるので、競技志向・パワー志向のカーボンバイクはとてつもなく高剛性なんだと思う。しかしこれは、しなやかな方の意味でカーボンらしいバイクだ。
15万円というと初心者が思わず買っちゃうような値段ではないし、逆に競技志向の人やブランドにこだわる人がこのバイクを買うとは思えない。よって、商品的にはやや微妙なポジションかもしれないが、僕の独断に従えば「乗り心地と漕ぎの軽さのバランスで、最高に楽なバイク」と認定したい。
僕の入れ込み度では自転車に15万円も出せないが、何でもくれるというなら目下最有力候補(^_^;) もっと高いバイクでも良いよと言われても、多分ほとんどは高剛性すぎてNGだろう。貰っといて直ぐ転売して金を稼ぐとかはナシとして、値段関係なく一番欲しいタイプのバイク。貰ったら、最高に贅沢な普段乗り自転車として使いたい。